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R.I.P. 徐周煥

去年の夏から今年の年始にかけて、
"Ancient Future"という物語を、絵と文章という関係で
共に走り抜けて来た徐周煥 aka Shoeくんが、4月4日永眠しました。
飛行機の中での心筋梗塞だったと聞いています。

彼とはいつ知り合ったのか覚えていないけれど、類稀な文才があるのは知っていて、
ちょうど"Ancient Future"巡回展の二カ所目のHATOS BARでお茶してる時に、
原画を見ながら、「この絵にお話を付けよう」とプロジェクトが始まったのを
覚えています。テーマは3・11以降の放射能汚染された世界のメタファーでした。

それからというもの、気分は週刊連載の漫画家(ものすごくハードルは低いけれど。。)で、
毎週月曜にtwitterで140文字以内を3つぶやきづつという制限の元、全12回に及んだ巡回展のDMになるキャラクターまでお話を進めるという、僕の無茶振りに答えてくれつつ、逆に僕がshoeくんの文章に挿絵を付けるといったところまで発展していったのでした。

この行き当たりばったりのコンビ活動は、ようやくお互いの間合いも掴め始めて、お話にも芯が見え始め、キャラクター達にも命が芽吹き始めてきたところで巡回展もひとまず終了。
今後の展開に向け仕切り直しも含め、つい一週間前までやりとりをしていた矢先の、突然の訃報の知らせでした。

とても物知りで、不器用で、憎めない奴でした。
いまでもふと、彼のはにかんだ照れ笑いが頭に浮かびます。

気持ち的には全く整理はついていませんが、創作に対しては整理がついています。
それはShoeくんが命を吹き込んでくれたこの"Ancient Future"という物語をひとつのプロジェクトとして、よりいろんな才能を巻き込んだ創作物としてまとめあげること。何年かかるかわからないけれどその熱量を絶やさずに、彼の残した文章を手がかりにこれから考古学のように壮大な冒険が始まるのだと思ってます。

ある種のわかり易さを嫌うShoeくんは嫌がるかもしれないけど、
ZINEの2巻の最後にも掲載された物語のまとめのようなものを此処に転載します。
物語の中で唯一筆者のメッセージのようなものが読み取れるし、
またそれは今の時代を生きるみんなに共通したテーマではないでしょうか。

//

懐かしい未来のお話も折り返し地点。装飾士スサノオは五国を巡り、各地の染料を集めながら西へと向か い始めます。西にはクイン・ダダが住む金国があり、その奥地にはヤマタノオロチと呼ばれる原子力発電所、その北には何千年も昔に放射性廃棄物が埋蔵された 死の谷が口をあけ、国々を汚し続けています。

木国ではアサコが雨と飴の匂いを嗅ぎながらエッセンス・オイルを調合し、四年の訓練期間を経て調香士になろうとしています。彼女は自分が作った新しい匂い が汚れた空気を浄化できないことを本心では納得できません。理詰めで考えなければいけないときに理屈ではないことが混じります。

嘘を嘘だと知りつつ嘘をついている人々と、自分たちはそうではないと思っている人々の間の溝があります。自分たちは何かの意味で公正だと思っている人々の 間でも、正しさを心得てそれを実践する事は簡単ではないと分かってきました。何についての正しさを求めているかはやはり人それぞれだからです。

土国に暮らすミズホは放射線防護学者ギルドに居た祖父が彼女専用に調整した防護服を着て、何千年も昔に死の谷に放射性廃棄物を埋めた文明の事を考えます。五国に散った人々も元は東の空白地帯を越えてその地に辿りついた集団の末裔です。土国の火山に眠る特別な炎。それが人々をその地に引き留めます。

人間が自然の中で進化してきたのと同じように、文明も自然現象として存在すると人々は考えていましたが、放射性物質が空気中に拡散してしまうとそんな達観も難しくなります。水国の歌姫であるカムイは楽屋でそんな事を考えています。人は各自の現在地でコンパスを見せ合い言葉少なに微笑を交わします。

ブラック・チェリーは素肌に描かれた装飾により強化され、ミュータントを狩り生計を立てます。人間であるチェリーも放射能により生まれたミュータントで す。チェリーにとっての正しさとはそんな矛盾を直視しながら今はともかく全霊で前に進む事です。どこに辿りつくのか。それを見に行きましょう。

//


Rest In Peace. 徐周煥 (1977~2012)


【Ancient Future】 twitterアカウント https://twitter.com/#!/ACxFT
写真は2011.7.29_"Ancient Future"巡回展4th@仙台PANGEAにて、絵を見て佇むShoeくん。
shoe6.jpg
2012-04-09 : 日記 :
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Profile

BAKIBAKI

Author:BAKIBAKI
BAKIBAKI / 山尾光平
1978年/大阪生まれ、東京在住。
www.yamaokohei.com
Arahabaki主宰。
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